「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」
幾度となく書いているが、贔屓な作家。
そのエッセイ集。
体験したこと、思っていること、どうでもいいような見逃しがちなことなどで、このようにグイグイ他人を引き込ませるように書けるという時点で、やはり素晴らしい。小説に限らず、「勇気凛凛ルリの色」で始まるエッセイ集も漏らすことなく読んでいるので、特に作者の出自を題材としたものは幾度となく聞かされているにもかかわらず飽きることが無いのは、その特異性だけでなく文章によるものが大きい。
一つ問題は、語彙力が無いのでところどころ止まってしまう。けっこう多いので、いちいち辞書を調べるのは読むペースを乱すのでとばしてしまうが、あまた存在する言葉からあえてそれを選んだからには他では謂いあらわせない理由があるだろうし、根本的にスジ、主張を漏らすこともあるので、一気に読んだ後、再度、今度は辞書を片手に再読します。
江戸っ子で粋な洒落者、細かく繊細でシャイ。今更、こういう風になりたいと思っても、がんばってなるものじゃぁないし、それを理解できるだけで、・・・いいかな。
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