「一刀斎夢録」
「壬生義士伝 上・下
」「輪違屋糸里 上
・下
」に続く、浅田次郎版新選組三部作の完結編。
三部作と言っても、それぞれ切り口、アプローチが違って、また、今回は浅田作品の魅力の一つ「語り」がさく裂?してます。
内容的には前2作品は、「吉村貫一郎」を主人公として描くことで、新選組とは何だったのかを考察し、新選組の変遷、ターニングポイントとなる「芹沢鴨暗殺」と、流れの一部を切り取るようなものでしたが、本作では斎藤一がその全貌、維新の正体を語るというものです。
もちろん、その幕末から明治に至るまで出来事はすでに“歴史”であって、本作の大正となる頃の風物や風俗まで膨大な資料を著者が吸収したうえでの解釈や考察であって、フィクションであり著者の云いですが、巧みな文章と説得力に引き込まれます。
ぜひ順番に読んでほしいものですが、本作から読んでも十二分に楽しめます。クローズアップしていくという視点で前2作品に流れていくと考えれば、それもいいかもしれません。
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