「終わらざる夏」
著者の「描かねばならないテーマ」というコメントを読んだ覚えがありますが、その第3弾(くらいかな)。第二次世界大戦をテーマとした長編作品(映画にもなりましたが、その中で「日輪の遺産」がおすすめ)。
終戦直前の宣戦布告に、8月15日以降の侵攻、現在の北方領土問題など断片的な知識しか持たぬ自分は、特殊な人間ではないと思います。
終戦直後の知られざる戦い、占守島の戦いをテーマとし、あの時代の、今とさほど変わらぬ当時の人々の境遇(生い立ち、生活 etc.)と、運命を丁寧に書き上げることにより、戦争と言うものの怖さ、愚かさを描いています。
なので、史実をもとにした小説であり、その戦にかかわった人たちの群像劇(浅田ワールド)であり、かなりマニアック(?)な記述、内容もありますが、幅広い方々におすすめです。
ひとりの主人公は無く、誰もが、今までの短編小説などで出てきた出演者であって、この作品で昇華させた感があります。
なので、これが初「浅田次郎」作品となると、逆に、大丈夫か?と、気をもみ、ポンっとこれをおすすめして大丈夫か?とも感じてしまうけど・・・。
関連し(関連しないことを望みますが)、ちょっと気になることが。
「国民の8割反対でも閣議決定」
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